仕事でもDIYでも、木材を切断することは日常茶飯事です。
大きな丸太を切るならチェーンソー、角材や板材を切るなら丸ノコ…といった、切断対象に合わせた工具を使って作業をするのが普通ですよね。
しかし、作業をする場所が狭い・電動工具を持っていないなどの理由から「ディスクグラインダーにチップソーをつけたい」と言う方は意外と多く見られます。
本来は丸ノコに取り付けるためのチップソーですが、ディスクグラインダーに取り付けることも出来るのか?ということについて解説します。
チップソーはグラインダーにも取り付けできる?
結論から言えば、”穴径さえ同じであれば取付は可能“です。
例として、100mmのディスクグラインダーの穴径は15mmと20mm(フランジを裏返した場合)です。丸ノコ用チップソーの内径は大体20mmなので使えますね。
ただし、使うのは完全に自己責任。
使い続けるうちにチップソーのチップが跳ねて、大怪我を負う可能性があるのでオススメはしません。グラインダーでは丸ノコのように刃を安定させて使うことは難しく、少し手元が狂ってしまえばどうなるか…簡単に予想がつくかと思います。
ディスクグラインダーの用途は研削・研磨
ディスクグラインダーを切断用でしか使わない方も多いかもしれませんが、本来は研削・研磨をするための工具ということをご存知でしょうか。
仕上げに鉄の切断面のバリをとったり、塗装の前の下地処理でサビを削ったり、木材の表面をペーパーで削って綺麗にしたり、といったことが主な用途だったんですよね。
だから、切断砥石はディスクグラインダー用としては販売されていませんでした。切断砥石は研削砥石に比べて危険が伴うため、電動工具メーカーは製造物責任法の対象とならないように「グラインダーは切断工具ではない」という建前をとっていたのです。
しかし、切断砥石をつけて鉄やコンクリートを切断するのは、グラインダーを使用する主目的の一つとなっています。
そこでグラインダーの安全性を保つため、砥石の1/2をカバーする「切断砥石用ホイールカバー」が10年以上も前に開発されました。そのため、実は切断砥石を利用する際には、切断砥石用ホイールカバーに付け替えて作業をしなければいけないのです。
まとめ
切断砥石用カバーがあることを知らない人も多いですが、知識として頭の一部に入れておくことは必要かと思います。
実際には安全性よりも使いやすさのためにカバーを外して使う職人も多いので、わざわざ切断砥石用のカバーをつける人は少ないんですけどね…。ただ、砥石が割れて飛び散ったとき、足元や腕に刺さってしまう危険性があるので怖いですね。
また、前述したとおりディスクグラインダーでは木材の切断をしません。私としては、カバーを外して切断砥石を使うことよりも、グラインダーでチップソーを使うことの方が圧倒的に恐ろしく感じてしまいます。
今は狭い箇所の鉄や木材の切断にとても便利な「マルチツール」という電動工具がありますので、是非そちらを使ってみてはいかがでしょうか?