屋根や壁に使われている、波を打ったような板・・・波板。
波板にはいくつもの素材があることはご存知かと思います。小屋などに張ってある、昔ながらの「トタン波板」や、防食性の高い「ガルバリウム鋼板」。
他にはテラスやカーポートの屋根材などに用いられることが多いガラス繊維入りの「FRP波板」、最近普及している高い耐衝撃性を持つ「ポリカ波板」などが一般的ですね。
波板の形状の違いって?
波板には素材の種類以外にも、大波・小波といった名称で波の形状が違います。
そのため、例え同じポリカ波板だったとしても、波の形状が異なると貼り合わせることが出来なくなってしまいます。張り替えをする場合は、購入する前に山の中心から中心までの幅を確認する必要があります。
メーカーによって多少の違いはありますが、波の種類は主に4つです。ちなみにテラスやカーポートの屋根は、ほとんどが鉄板小浪なんですよ。
鉄板小波とは?
一般的に「波板」として認識されている形状が鉄板小波です。山の頂点と頂点のピッチは約32mm、谷の深さが約9mm、幅が約655mmと扱いやすいサイズです。
鉄板大波とは?
山の頂点のピッチが約76mm、谷の深さが約18mmと厚め。
スレート小波とは?
山の頂点のピッチが約63mm、谷の深さが約18mmと鉄板大波より少しだけ、頂点のピッチが短い作りになっています。
スレート大波とは?
山の頂点のピッチは約130mm、幅が950mm~1000mm、谷の深さが約18mmとかなり大きめ。波板の中でも一番大きな波の形状で、FRPやスレートに多く見られます。
間違えやすいのが「鉄板大波」と「スレート小波」ですが、とりあえず山の幅さえ測ればどの形状かはすぐにわかりますね。
参考に、鉄板小波はこんなの(↓)。
で、鉄板大波はこんなのです(↓)。値段や厚みが全然違いますよね!
トタン波板とガルバリウム波板の違いは?
昔から使われているトタン波板は、土地の囲いや小屋の屋根壁など幅広く用いられます。
一般的な波板なので特別優れた性能を持つわけではありませんが、鉄板に塗装がされているカラートタンであれば多少はサビがでにくくなっています。
ガルバリウムはアルミと亜鉛の複合メッキなので、トタン波板の耐腐食性をさらに高めたものと言えます。そこまで高いものでもないので、長持ちさせたいのであればガルバを使用する方がいいですね。
ポリカ波板とFRP波板の違いは?
ポリカは非常に耐衝撃性の高い素材で、ボールをぶつけても曲げても割れません。衝撃ではほとんど割れないと思ってもらっても構わないほどです。
対するFRP波板は、プラスチックにガラス繊維を混ぜて強化させたものです。昔のテラスやカーポートの屋根材を見ると、波板の中に白いガサガサしたものが入っていることがあるのではないでしょうか?それがFRP波板です。
ガラス繊維入りのFRP波板は強度は高いものの衝撃で割れてしまいますし、年数が経つと劣化してバリバリとヒビ割れてきます。ポリカのメリットは衝撃ではほとんど割れないところと、10年経っても中々ヒビ割れしない高い耐久性能です。
ただ、ポリカはガラスネット入りのものと比べると柔らかいため、雪の重みなどで歪み・凹みが起こる可能性があり、ポリカといえどもメリットばかりではありません。
…現在は耐久性が高く価格も安いポリカを使うことがほとんどですが、どれも一長一短なので現場の状況に合わせた素材を使えるのが一番なのです。