「コンクリートに穴をあけるならどっちがオススメ?」
たくさんある電動ドリルの種類の一つに、振動ドリルとハンマードリルがあります。
どっちの工具が自分の目的に合っているのかわからない…という方もいるのではないでしょうか。実際、基本的な使用用途としてはどちらも同じく “コンクリートに穴をあける” というもので、使い方として大きな違いはありません。
しかし、この2つのドリルには明確な違いがあります。今回は振動ドリルとハンマードリルの違いについて解説したいと思います。
振動ドリルとハンマードリルは何が違う?
振動ドリルとハンマードリルの違いを大きく言うと、名前の通り「打撃(ハンマー)」があるかどうかです。
また、同じコンクリートの穴あけ用のドリルで比較的小型のものを「振動ドリル」、大きいサイズになると「ハンマードリル」であることがほとんどです。
ちなみに似たようなドリルとして「インパクトドライバー」や「ドライバードリル」というものもあります。それらの違いについては下の記事を御覧ください。
振動ドリルの特徴
振動ドリルとは、穴あけをする際に細かく振動するドリルです。振動ドリルではなく、”震動ドリル“ということもよくありますね。
コンクリートの穴あけは木や鉄と違って、斬ると言うよりも削っていくというイメージの方が正しいです。そのため、コンクリートに対してはただ回転するだけではダメで、震動することが重要な要素になります。
しかし、振動ドリルはハンマードリルのように打撃をしないため、コンクリートのはつりをすることは出来ません。
ただ「打撃しない」ということには利点もあって、ハンマードリルよりも振動ドリルの方が綺麗な穴あけをすることが可能です。打撃があるとどうしてもコンクリートの入り口が少し欠けてしまうんですよね。
また、振動ドリルの中にはいくつかの種類があります。
- 震動ドリル
- 震動ドライバドリル
- ダイヤコア震動ドリル
タイルの穴あけや壁の目地など細い場所、20mm以下の穴(アンカーを埋め込む程度の穴)しか空けないのであれば振動ドリルの方がオススメです。
ちなみに高所や電源がないところで使用するなら充電式がオススメですが、コードリールを引っ張れて地上で使うなら100Vタイプの方が安価でパワーがあります。
ハンマードリルの特徴とは
ハンマードリルは震動ドリルの中でも打撃がついたタイプです。
振動ドリルと違って打撃があるために掘削能力も高く、大きいものでは40mm程度まで穴をあけることが可能です。この打撃は非常に強く、コンクリートをハツっていく(砕く)ことが出来るのもハンマードリルですね。
なので、たくさん穴を開けたりはつり作業をしたいならハンマードリルがオススメです。
ただ、長期間頻繁にコンクリはつりのような振動する作業をしていると、手のしびれや握力低下などの振動障害にかかることもあります。
マキタには「AVT」という低振動機構がついたものがあるので、頻繁に使用する方は少々値段は張りますが、身体のためにもこちらの方をオススメしたいところです。
ちなみに打撃のみで回転機能がないものはハンマードリルとは呼ばず、「電動ハンマー」という風に呼びます。
プロ用のハンマードリルなら「回転のみ」「回転+打撃」「打撃のみ」といった機能の切り替えできるようになっているものも多いので、振動ドリルや電動ハンマーと同じような使い方をすることも出来るでしょう。
さいごに
以上、振動ドリルとハンマードリルの違いでした。
基本的に木工用や鉄工用ドリルは取り付けるチャックが異なるので、それらをハンマードリルに付けたい場合は別途シャンクが必要です(ほぼ六角軸or丸軸)。
さらに言えば振動ドリルなら振動のオンオフ機能付きで、ハンマードリルなら回転・打撃の切り替え機能がなければドリルが折れるので使えません。また、チャックは複数の種類があるのでビットを買うときには注意しましょう!
- 振動ドリル…ドリルチャック
- ハンマードリル…六角軸シャンク、SDS-plus、SDS-max
最後にハンマードリルや振動ドリルを購入する際には、自分が空けたい穴のサイズよりもワンランク上のドリルを選ぶのをオススメします。
というのも、常に限界のパワーを出していると作業効率も落ちて、思ったように穴あけ作業が進みません。ついつい機械を強く押し付けすぎてしまって壊れやすくなること間違いなしです。
そしてフェンスの柱を埋めたいなど、50mm以上の大きな穴を開ける場合にはかなり高額ですが「ダイヤコアドリル」を使用する必要があります。ただコアドリルはエクステリアや土木工事専門の人しかほぼ持たない完全にプロの道具と言ってもいいので、素人の方がDIYで使用することはまずないでしょう!